あらゆる気候変動を想定しなければならない時代

2024/12/16 08時35分公開

高城未来研究所【Future Report】Vol.704(2024年12月13日)近況


今週は京都、東京、群馬、東京、金沢と移動しています。


全国各地すっかり冬模様になりつつありますが、1946年の統計開始以降、今年の秋(9月から11月)は沖縄を含む全国153の気象台等のうち、120地点で秋の平均気温が歴代1位の高温を記録しました。

実際の体感としても11月中旬までTシャツでも過ごせる夏のような日があり、熊本や鹿児島で25℃以上の夏日もありました。

また先月、南の海上に台風22号と23号、24号のトリプル台風が発生し、もはや日本は四季から「二季」へ変わっていると言っても過言ではありません。


このような気候変動は、日本に限りません。

スペインでは10月、異常な大雨による洪水で200人以上が死亡し、メキシコでは猛暑でダムが干上がってしまうなど、記録的な干ばつが続いています。

つい先日まで僕が滞在していたスリランカでも、季節はずれの大型サイクロンが全国を襲い、大規模停電や川の氾濫など大きな災害に見舞われました。


こうした中、EUの気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は、今年の世界の平均気温が観測史上最も高くなることがほぼ確実になったと発表。

世界的な医学誌「ランセット」などの研究チームがまとめた報告書によると、去年世界で暑さが原因で死亡した65歳以上の高齢者は、過去最多の約41万人という推計が出ました。

これは1990年代の2.67倍に当たり、地域別では日本を含む西太平洋地域が最多で約14万人。

ヨーロッパは約13万5000人と気候変動が新型コロナウイルスに次ぐ、この十年で急増した死因の第二位になりつつあります。


国連のグレーテス事務総長は、「地球温暖化の時代は終わった。“地球沸騰化”の時代が到来した」と述べ、BBCは気候変動は「未知の領域」に入ったと報じています。


ただし、人為的な原因で気候変動が起きているかどうかは、いまだ定かではありません。

自著にも記載しましたように、太陽の周りを楕円軌道を描く公転が変わる「宇宙サイクル」が原因であるとのレポートが各地から出ており、いまや宇宙が要因だという論調が年々強くみられています。

トランプ新政権が述べていますが、CO2排出は米国民主党の利権化しており、結果、先進国で増税が続いてきた(実際は米国民主党に上納してきた)のは間違いなく、日本も他ではありません。


近年、日本が貧困化するのを「茹でガエル」に例える人たちがいます。

カエルを鍋に入れて冷たい水から徐々に加熱すると、変化に気づかないカエルはそのまま茹で上がってしまうという寓話に由来し、日本の経済状況や社会の変化を説明する際に変化に気づかず、徐々に悪化する状況に対する警告として使われてきました。

これは、急激な変化には敏感に反応するのに、緩やかな変化には気づきにくい人間の性質を指し、気づいたときには手遅れになっている場合に用いられる比喩ですが、経済動向に限らず、温帯や熱帯に住む人々は、本当にゆっくり茹でられていると感じます。


日本全国例年より遅い各地の紅葉。

どちらにしろ、あらゆる気候変動を想定した全天候型ライフスタイルを全地球人は思案しなければならない時代に入ったのだろう、と実感する今週です。

どうか皆様、前週との気温差にご注意くださいませ。

気がつかずとも、僕らはサバイバル時代を生きているのです。


(これはメルマガ『高城未来研究所「Future Report」Vol.704』の冒頭部分です)


高城未来研究所「Future Report

高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。


高城剛 プロフィール

1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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