心を修復する時間を持ってください
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今日はふらっと、東京都下のかなり大きめの公園に足を運んだんですが、やっぱり、都会のなかでも、自然に触れる時間を少しでも持っておくことって大事だなっていうことを、改めて感じますね。
チュンチュンと、鳥が鳴きながら頭上を通っていったり、心地よい風を感じたり。ジョギングしている方の姿が見えたり、子供たちの遊ぶ声が聞こえたりする。何より、木々の隙間から漏れる太陽の光を浴びていると、なんというか、「無限の愛」というものを感じざるを得ないんですよね。
無限の愛を感じるっていうのは、言いかえれば「自分が傷ついてたことに気づく」ということだと思うんですよ。別に、取り立てて不幸な出来事があったわけでなくても、日々のコミュニケーションのなかで、ちょっとしたことで傷ついている。自分が心ない言葉をかけられたということもあるだろうし、逆に、心にもなく、相手を傷つけてしまった、という後悔もあるかもしれない。
心っていうのはお豆腐のようにやわらかくて、日々傷ついているんだと思うんです。普通に過ごしていても。それは、ただ日常生活を送っているだけでは、実は全然癒されていなくて、少しずつ少しずつ、ダメージを蓄積しているんじゃないかと思うんです。
仕事は順調で、食事も美味しくて、運動もして、日々充実している。幸せだ。そういう生活を送っている人であっても、やはり日々、僕らの心は傷ついているんですね。それはいい悪いというものではないし、避けようもないことなんだと思います。
身体的なレベルでは、それを修復してくれるのは「眠り」なんです。一方、心については、眠りも大事だけど、自然の中に身を置く、ということが、現代人においてはすごく大事だと僕は考えています。15分でも、10分でもいいから、自然のなかで過ごしてくる。
そうするとね、ふとした瞬間に、自分の内側からなんともいえない「悲しみ」が襲ってくるんです。「え? 悲しみなんて嫌だ」って思うじゃないですか。でもね、それは反対なんです。僕らは普段の都会の生活のなかでは、あまりにも心細くて、自分の内側にある悲しみに向き合うことができない。でも、木々に囲まれた、自然のなかでなら、なんとか向き合える。それだけの安心感を、自然というものは与えてくれる、ということだと思うんです。
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