弊所JILIS『コロキウム』開設のお知らせとお誘い

2024/10/30 20時05分公開

人間迷路 Vol.457より】


 先般、私が所属しております一般財団法人情報法制研究所(JILIS)にて、政治と行政、アカデミアだけでなく、企業や個人も繋ぐ交流の場作りを目指して『コロキウム(談話会)』の立ち上げを発表しました。

 初回となる11月の会合は、京都大学教授にして弊所JILISの副理事長・曽我部真裕先生をお呼びして、主に「デジタル時代における情報空間と政府の関与の在り方」のテーマでご講演とパネルディスカッション、またそれに続く懇親会などを企画しております。

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【告知】情報法を基に、個人と企業、霞が関(赤坂見附&溜池山王)、永田町とアカデミアを繋ぐ活動を始めたよ

 お陰様で、法人や弁護士、元官僚の皆さまなど、幅広に政策分野や情報法に関わってこられた方々のご参画希望も増えておりまして、所定の会員数に早くも到達しようかという感じになってきております。

 これを発表してから自由民主党と公明党の連立による与党がいきなり衆議院選挙で負けてしまい、思い切り少数与党となって、特定の政党の有力者や規制改革会議の面々に持ち込めば政策の大玉に取り上げてくれて走ってもらえる状況ではなくなりました。裏を返せば、政治の混迷や不安定は、ダイレクトに私たちの社会があるべき状況に向けて改善させていくプロセスを大きく変えていくことになるでしょう。

 私どもも、プライバシーフリーク・カフェを立ち上げて早10年ほど、あのころは政治の状況はあまり気にすることなく「俺が正しいと思っているから正しいのだ」とイキリ立って手に手に斧や槍を持ち、風にモヒカンをたなびかせて関係当局に闖入しては正論砲をぶっ放して焼け野原にして戦いはいつも虚しいとか言いながら夕焼けをバックにとぼとぼ帰路を刻んでいたわけですが、人間10年も活動していると何となく箔が付いたり祀り上げられたり面倒くさいからアリバイ的に意見ぐらい聞いておけと割り切られたり、いろいろあった結果がまあまあ高みまで来たもんだという状況になっているのが感慨深いです。

 ただ、世界の情勢からしますとデータ資本主義と言われ、プラットフォームが国富を左右するだけでなく国民の情報を扱うことで政府以上にこれらの事業者が国民のデータを持つ状況になっていると、データ分析の結果による決定で国民が不当な不利益・差別を被(こうむ)らないためにどのような法制であるべきか、ということを充分に目配せしなければならなくなってきました。

 また、医療や教育・子ども、位置データ、取引データなど、各分野で薄く広く「情報」の扱われ方が重要になってくると、各分野ごとに適した「情報」の扱われ方を法制に組み込んで適切に個人に関する情報などの利活用を促進しなければならなくなってきました。

 さらには、生成AIなど技術分野での爆発的な進展とともに従来の法制は3年ごと見直しをしっかりやっていかなければ途端に海外との競争・規制に劣後することも明らかになってきましたので、この分野における法曹界、霞ヶ関だけでなく、企業も個人も消費者も学校も地方自治体も一体となって「何が情報法制において必要なものになっているのか」を熟知し議論しなければ立ち行かないご時世になったことは、幾度も指摘してきたとおりです。ボク言いましたよね。

 このように、やらなければならないことも充分に踏まえて、広く情報と法、国家、そして個人という枠組みで、イベントと飯(酒)を中心に語らっていこうというサロン的な集まりにしていきたいと考えておりますので、ご関心を持っていただけるようでしたらぜひ参画願えればと存じます。

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 また、情報法制研究所では一般法人の皆さんや個人でも賛助会員的なシステムがありますので、こちらも併せてご検討戴ければと存じます。

情報法制研究所 会員募集

 ついでっちゃなんですが、私個人も最近企業さん向け研修や地方自治体での職員さん向け講演なども月4回か5回ぐらいコンスタントに手がけておりますので、ご興味がおありでしたらお声がけください。

山本一郎

 そんなわけで、引き続きよろしくお願い申し上げます。

人間迷路 Vol.457 JILIS『コロキウム』開設の告知をしつつ、野党勝利となった衆院選後の混乱の行方や米大統領選絡みで暗躍するイーロン・マスクさんの動向などをあれこれ考える回」(2024年10月30日発行)序文より


山本一郎メルマガ『人間迷路

ネット業界とゲーム業界の投資界隈では知らぬ者のない独特のポジションを築き、国内海外のコンテンツ制作環境に精通。日本のネット社会最強のウォッチャーの一人であり、また誰よりもプロ野球とシミュレーションゲームを愛する、「元・切込隊長」こと山本一郎による産業裏事情、時事解説メルマガの決定版!


山本一郎主催の経営情報グループ「漆黒と灯火

真っ暗な未来を見据えて一歩を踏み出そうとする人たちが集まり、複数の眼で先を見通すための灯火を点し、未来を拓いていくためのサロン、経営情報グループです。


山本一郎(やまもといちろう)

1973年、東京都生まれ。96年慶應義塾大学法学部政治学科卒業、新潟大学法学部大学院博士後期課程在籍。社会調査を専門とし、東京大学政策ビジョン研究センター(現・未来ビジョン研究センター)客員研究員を経て、一般財団法人情報法制研究所上席研究員・事務局次長、一般社団法人次世代基盤政策研究所研究主幹。著書に『読書で賢く生きる。』(ベスト新書、共著)、『ニッポンの個人情報』(翔泳社、共著)などがある。ブロガーとしても著名。

こちらのマイノートでは、夜間飛行で配信中のメルマガ「人間迷路」から序文を無料で公開していきます。

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