魚の釣り方を教える老子と、ドリルの穴を売るマーケッター
2023/04/17 20時08分公開
0-
2
飢えている人がいたら、魚を与えるか、それとも釣り方を教えるか、という老子の格言があります。
一方、マーケティングの有名な格言に、「ドリルを買いにきた人が欲しいのはドリルではなく『穴』である」というものがあります。
この2つの格言は、一つの現実を2つの方向から見たものだと私は思います。
老師の格言は、魚という「成果物」を与えるのではなく、「ツール」や「ノウハウ」を与えよ、という趣旨です。魚をもらってもそれを食べて仕舞えばおしまいですが、釣り方を覚えれば、ずっと食べていくことができる、ということですね。
一方、マーケティングの格言では、客がドリルというツールを欲しがっていたとしても、本当はドリルが欲しいわけではないかもしれない。ドリルは穴を開けるツールであり、顧客は、「板に穴を開けたい」だけかもしれない。だとすれば、ドリルではなく、「穴の空いた板」を買ってくれるかもしれないよね、というお話です。
こちらは、ノウハウやツールではなく、成果物を売れ、という教えだと言えます。
両者は、どちらが正しいと言えるものではないでしょう。重要なことは、この2つの見方がある、ということを知っておくことだと思います。
#ビジネス
#マーケティング