快適な日々を送るために光とどう付き合うか

2024/02/05 08時35分公開

高城未来研究所【Future Report】Vol.659(2024年2月2日)近況


今週は東京にいますが、好調ゆえ、いまもインドと同じような時間帯で生活を続けています。


まず、アーユルヴェーダの生活法では、日の出96分前の「ブラフミムフールタ」(コスミックインテリジェンス)の時間に起きることを推奨しています。

ドーシャを24時間にあてはめますと、深夜2時から6時がヴァータ(風)の時間で、1日24時間のうち一番神聖な時間帯と考えられているため、この時間に起きるのが望ましく、窓を開けてもまだ真っ暗ななか起床します。


早朝のこの時間帯は「風」のヴァータから連想されるように空気が澄んでいて、体もとても軽いため、本来はこの時間帯にヨガや瞑想をするのが理想的です。

僕は白湯か気分で選んだハーブティーを飲んだ後、日々20分程度の瞑想を行なっています。

その後、朝6時になるとカパ(水)の時間帯になり、シャワーを浴びて、ここから4時間ほど執筆する時間が始まります。


そして朝10時から午後2時までのピッタ(火)は、1日のうちで一番消化力が高まっている時間帯です。

このタイミングでこの日一番重い食事をするのが望ましく、いまは11時から11時半ごろ、一日一回だけそれなりに食べるようになりました。

内容は決まっていませんが、夏季には食べない玄米から肉まで、幅広く食しています。


一般的にアーユルヴェーダでは、この時間帯、つまりランチにに食べる量を「3」だと定義すると、朝は「2」、夜は「1」程度食するのが良いと考えられていますが、僕はケトン値を参照しながら1日一回しか食べなくとも「2」程度に抑え、しかもアーユルヴェーダ施設では出ることもない肉も相当量食べていますが、いまのところ問題はありません。

というより、自然環境が豊かな南インドの食材と東京で手に入る食材は大きく違い、お米もまったく異なるもので、よく言われるインディカ米やバスマティライスは、南インドで売られている数十種類あるお米のひとつにしか過ぎず、東京で良質な南インド料理を再現するのはとても難しいのが実情です。


続く午後2時〜6時のヴァータの時間に再び移ると感覚が鋭くなってきますので、ロジカルな作業はあまり行わず、直感赴くままにアイデアを次々出したり、音楽を作ったり、写真現像や動画編集する時間にあてています。

場合によっては、論理的に朝書いた原稿を直感に従って斜め読みしたり、湧き出たアイデアでも即座に時間軸などに落とし込まず、翌朝に再考するようにして、自分自身の能力を時間帯によって使い分けるようになってきました。

使い古された表現ですが、午前中は左脳的に生き、午後は右脳的に生きていると言い換えられるかもしれません。


しかし、ヴァータ体質の人はこの時間帯ではヴァータがさらに高まり、とても疲れる時でもあります。

そこでコーヒーなど飲まずに、ヴァータを抑える生姜湯などを飲むようにして過ごすようになりました。


その後午後6時から10時まで再びカパ(水)の時間帯が訪れ、友人たちとの会食があれば、軽くつまむ程度のことはあっても重いものは食べず、飲酒習慣も変わらずありません。


そして、ピッタが始まる午後10時ごろまでに夕飯が消化された状態で眠りに就くのが理想的ですが、僕の場合は読書をしながら23時前後に就寝しています。


この1日のサイクルが、睡眠トラッカーを見る限り、もっとも深く寝られます! 


オックスフォード大学で睡眠と概日リズムの研究をする神経科学者ラッセル・フォスター教授は、生活サイクルが体内時計と同期できている人について、比較的疲れにくく、機嫌が良く、健康的な体重を維持することができ、薬物治療してもより多くの効果が得られ、思考もはっきりし、長期的な健康も改善すると述べています。


ただし、心電図、脳波などの生理的検査や、血液、尿、組織などの病理、化学、生化学検査をどんなに行っても睡眠の秘密はいまだわかりませんが、自然に沿わない生き方(時間)を正すだけで、こうも快適な朝を迎えることができるのかと、自ら実感しています。


日の出や日没時刻等、人間は数百万年もの間、一定のパターンで光にさらされてきました。

つまり、私たちの遺伝子は、日中は活発に動き、日が暮れると休むように生まれながら「ごきげんタイマー」が仕組まれているのです。


快適な日々を送るために、光とどう付き合うのか? と強く考える今週です。

渡航による時差(と伴う不調)は、最大の悩みです。


(これはメルマガ『高城未来研究所「Future Report」Vol.659』の冒頭部分です)


高城未来研究所「Future Report

高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。


高城剛 プロフィール

1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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