GPT-4を使ったセグメントAIの登場

2023/04/04 18時47分公開

 これもうオンプレミスでやらんとヤバいんじゃないかと思うんですけど、ギブリー社からさっそくGPT-4ベースの法人向けアレが出ていました。


https://japan.cnet.com/article/35202118/


 イタリアでのGPT禁止令もそうでしたが、教師データをオープンソースどころかウェブに出てる文書で巡回して取ってくるってレベルの話だと相当ヤバイと思うんですよね。著作権のところも課題あるでしょうし、着地しない怖れが。


https://givery.co.jp/


 こうなってくると、何が信用できて、どういう仕組みで構築するかをちゃんと考えないと、ジェネレーティブAIの利活用でも相当なハードルとなって帰ってくる感じが強くします。柿沼太一先生がAIと著作権のアウトルックを示しておられましたが、テック系リーガルの分野ではどこまでが著作物とされるべきかという点でかなりの議論の蓄積が必要になってきてます。


https://storialaw.jp/blog/9239


 いろんな見方はあるかと思いますが、参照したり試してみたり程度の利用であればともかく、ガチ商用で何かするというのは「怖くて使えない」のレベルで諸問題が起きている感じはします。また、ギブリー社の仕組みもそうですがおそらくまともな応答をしてくれるまで教師データを蓄積できているところとそうでないところでGPT系サービスを支えるLLMは品質に大きな違いが出てくることになるでしょう。


 そして、文春でも書きましたけどこれって結局過去にこういうことがありましたという線形の延長線上に起きることしか返してこないし、私足しの仕事で脅かされるのは過去にあるものを適当に組み合わせて思考のフレームワークにしたりオリジナルだと言ってる程度のものしかやっとらん人たちがAIに仕事を奪われるということを考えても、使う側に回るには相応に頑張って最先端にいるか、常に状況が変わる分野で頑張るかしか方法はないんじゃないかと思ってます。


https://bunshun.jp/articles/-/61494


 大量に電力食うよなということも踏まえて考えると、ギブリー社にはもっと頑張ってもらってオンプレミス対応でやるしかないんじゃないの、ということで、どこかで見た風景としてはプライベートクラウドやプライベートブロックチェーンみたいな「それをプライベートで運用したらそもそも代替技術のほうが安いんじゃないの」って話に。


 画期的なのは間違いないんですけどね。どうすんすかね、これ。


 画像は『AIを使いこなせればきっとすごいことができるんだろうと思っているけど、使いこなすために細やかな自然言語プログラミングがうまくできなくてクソみたいなアウトプットしか出すことができず頭を抱える中年男性』です。


#人工知能 #AI
 1973年、東京都生まれ。96年慶應義塾大学法学部政治学科卒業、新潟大学法学部大学院博士後期課程在籍。社会調査を専門とし、東京大学政策ビジョン研究センター(現・未来ビジョン研究センター)客員研究員を経て、一般財団法人情報法制研究所上席研究員・事務局次長、一般社団法人次世代基盤政策研究所研究主幹。著書に『読書で賢く生きる。』(ベスト新書、共著)、『ニッポンの個人情報』(翔泳社、共著)などがある。ブロガーとしても著名。

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