俺たちの奥本有里(東京3区)、リリーアルバを名乗り精神世界へ有権者をいざなおうとするの巻

2024/03/04 20時40分公開

 超絶揉めている東京3区の奥本有里さん、かねて「ヤバイだろ」とみんなで名指しで騒いでいたところ、どういうわけか都民ファーストから国民民主党に鞍替えして公認候補として突撃が予定されています。

 最高に焦げ臭いですね。

 この辺のことに触れると奥本有里さんから法的なお手紙が戴けるとのことなのですが、全く気にすることなく懸念について書いていきたいと思います。

 サイトはなぜか削除されてしまいましたが、舞台となっておりますのは『一般財団法人日本スピリチュアルカウンセリング協会』であります。一般財団法人なのに収益事業をご建立され、スピリチュアルの教えを伝授するため日本各地に学校を開設しておられます。いきなりヤバイ感じがしますが、この財団を自称する団体では、ガンや認知症に効果があると謳う霊感商法まがいのサービスを1時間2万円(謎の税込)で販売しているにもかかわらず、サービスを紹介するホームページでは特商法に基づく表記は存在しません。

一般財団法人日本スピリチュアルカウンセリング協会

https://megalodon.jp/2024-0217-0931-25/https://www.japan-spiritual.com:443/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%A8%E3%81%AF/

 また、途中でヤバイと思ったのか、これらのビジネスを展開している会社は登記にしっかり奥本有里さんの名前を残しているにもかかわらず、サイト上からはお名前と顔写真が消えてしまっています。大丈夫なのでしょうか。

https://web.archive.org/web/20240216144643/https://lillyalba.shopinfo.jp/pages/6439196/page_202209091639

 適法性が微妙なスピリチュアルなサービスを提供している法人については、先月までは奥本有里さんの個人経歴もばっちり掲載がされております。


 個人的には、国民民主党公認で東京3区から出るぞとか、都民ファースト公認で大田区議選で当選して区議だったぞとか、そういうレベルを超えて有害だから薬機法で摘発待ったなしの状態でしょうから、関係者はきちんと羽交い絞めにして表舞台から引きずり降ろして、何事も無かったかのように東京3区には別人が立つ方向で調整するほうがよろしいのではないかと思いました。

 もちろん、もともと東京3区だった松原仁さんが26区に国替えしようとしたら、立憲民主党の手塚仁雄さんから無所属にはじき出されてしまった経緯は宮原健太さんが記事にされております。奥ゆかしい表現ですが、聞き及ぶ限り事実じゃないかと思います。

「悪者扱いされたくない…」松原仁衆院議員が立憲離党届で、蓮舫氏(55)の“衆院鞍替え”案が完全消滅!?《解散風が吹いて、儲かったのは…》

https://bunshun.jp/articles/-/63574?page=2

 この旧東京3区の松原仁さんの支持票はどちらかというと若干保守寄りだけど自民・石原宏高さんには投票したくない層であると見られます。19議席に増えた比例東京ブロックで夢の2議席目に手を伸ばしたい国民民主党としてはカカシでもいいから東京3区に候補者を擁立して比例票を取りたいのは間違いなく、一方で、東京3区で立憲が擁立予定の新人・阿部祐美子さん陣営からすると、ただでさえ共産から香西克介さん(ジャイアン)が出てしまうのに国民が誰か立てるとなると、票が割れてしまって千葉5区補選の二の舞になりかねないと警戒するのも当然のことです。

千葉5区補選 英利アルフィヤ氏、薄氷の勝利の裏側は

https://www.nhk.or.jp/shutoken/chiba/article/012/71/

 都民ファーストと国民民主党の蜜月についてはいろいろあると思いますが、突き詰めれば都政は都民ファースト中心に、国政は国民民主党に、というグランドデザインのもと、元埼玉県知事の上田清司さんも国民民主党から離党して地域政党を立てる動きがあるのも、大阪維新から日本維新の会に脱皮し成長した経緯も観ながら首都圏を中心とした政策本位の地域政党のニーズがあることを当て込んでいるのでしょう。

 いまの都知事・小池百合子さんが首都圏住民のためになる政策をどれだけ実現してきたかについては賛否あるかもしれませんが、先般の武蔵野市長選、八王子市長選と江東区長選の流れを見る限り、都市部の評判が地に堕ちた自民党(本部も都連も)が譲歩する形で公明党、都民ファースト、国民民主党に選挙協力を求める、そして選挙戦終盤に小池百合子さんがホホホとか言いながら出てきて戦局をひっくり返して去っていく的なことが、改革を求められている自民党にとって福音になるのかどうか。

 国民民主党も、東京15区高橋茉莉、東京3区奥本有里と、見栄えのするカカシを立てておけば江東区長選や松原仁さんの支持票も巻き取れていいんじゃないかと思っていたら、カカシの形をした地雷だったことになります。大爆発だ。しかし、いま分かって良かったね、まだ取り返しが効くよねって思うので、ハチマキ締め直して「次いこ次」の精神で頑張ってほしいと思います。

東京第15区衆院補選、俺たちの岸田文雄と令和日本政治の命運が江東区民に委ねられる

https://note.com/kirik/n/n28cbee75f756

やまもといちろう『人間迷路』

https://yakan-hiko.com/kirik.html

 蛇足ながら、なんでどこの政党もポンコツとか変なのを立候補させるの、気づかないの、ってみんなから言われるんです。でもねえ、いまのご時世、政治家になりたいって思う人って変な人しかいないと思うんですよ。総理大臣の岸田文雄さん見て幸せそうだなあ、充実してるなあって感じる国民どれだけいますか。数多いる政治家の中でも血筋も能力も裏付けられた人でさえ、状況が悪いとみんなからうんこ投げられて批判に晒され、口がへの字になって我慢の子になるわけじゃないですか。それでいて、たいしたことのないカネをポケットに入れても政治不信の具にされてしまうという。清廉潔白や品行方正が求められる割に、たいしていいこともない政治家という職業を志すのって、基本的に現実世界であんまりうまくいってない奴か、そのまま生きていても上に階段が続いてないしょぼくれた奴ぐらいしか公募に来ません。

 それでもピカピカの経歴の人や、目立つ属性の人がやってくると「おっ」と思うのも事実だと思うんですよ。国を憂う心、社会を良くしたいと考える志、そういったものがある人もちゃんと政治家の中にはいるので、そういう人ほど、サイコパスみたいな変なカカシでも魅力的に映るものなのでしょう。

 他方で、各政党も落選議員や秘書の生活を面倒見るきちんとした仕掛けを用意できるところは多くありません。統一教会に自民党保守傍流が取り込まれ続けたのも、勝てない議員を抱えたり、カネをかけずに選挙できる無償ボランティアを連れて来られるからです。また、選挙資金を何回分か自前で用意できる候補や、ある程度名前があってゲタ履いて選挙戦をスタートできる著名人や地方議員などは、野望に至るバイパスが得られます。しかしながら、そういう政治産業の仕組みが分かっていてなお国会議員になりたい人、公認候補として表に出たい人が地雷であるのは、なんかやっぱり普通の人ではないからだというのがあると思うんですよ。

 それでもまともな人を探すのであれば、落選議員や秘書も含めて広く公募し、政党や有力政治家がやる政治塾やインターン、選挙ボランティアなどを経て、それなりの期間を使って人間性を確かめるお試しキャンペーンをやらないといけません。そして、それでもなおハズレを引くのが現実です。これは、人の下で働くときは頑張っても、いざ左胸にバッヂがついて赤じゅうたんを踏んだ瞬間に豹変するヤバイのもおるからです。人間、意外と欲望を達成した瞬間に変わるもんで、当選するまでは真面目でいい奴だなと思ってたら議員になった瞬間にAV新法制定にエンジン噴かす御仁もいます。お前そんな奴だったの。

 そう考えると、今回の問題議員も逆の立場になればまともになる可能性はあるものの、一般論としてつるんでる奴も「そういうビジネスすんなよ(藁」と制止するようなのがいなかっただろうと容易に推測がつくので傷口が広がらないうちにしめやかに撤収するのが正解じゃないかとは思います。いかれてる人には、いかれてる人しか集まらないのです。

 画像はAIが考えた『せっかく見つけてきたカカシが大爆発して、みんな真っ黒になって駄目だこりゃ。また頑張ろうってなってる前途有望な懲りない明るい政治家たち』です。

 こちらからは以上です。



 1973年、東京都生まれ。96年慶應義塾大学法学部政治学科卒業、新潟大学法学部大学院博士後期課程在籍。社会調査を専門とし、東京大学政策ビジョン研究センター(現・未来ビジョン研究センター)客員研究員を経て、一般財団法人情報法制研究所上席研究員・事務局次長、一般社団法人次世代基盤政策研究所研究主幹。著書に『読書で賢く生きる。』(ベスト新書、共著)、『ニッポンの個人情報』(翔泳社、共著)などがある。ブロガーとしても著名。

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