【雑感】都議選が6月22日とな

2025/01/23 04時40分公開

 ちゃんと確認していなかった落ち度と言われればそれまでなんですが、慣例通り都議会選挙はまあ7月上旬だろうから半年あるんで大丈夫だよねと思っていたらなんと6月22日でした。

東京都議選 6月13日告示22日投開票に 各党 “参院選の前哨戦” | NHK   https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250122/k10014700311000.html 

 これ… ワイ死ぬやつですよね。もちろん、公明党さんとか都議選ガチ勢からすれば、参院選が7月27日と見込まれるのなら少しでも間を空けたいというのも分かるんですが、今回は国会が1月24日開催なので1月24日から150日後は2025年6月23日が閉会日となります。おいちょっと。被っとるやんけ… ここで都議会選挙の推移如何では会期延長なんてのもあり得るの?

 てなもんやで6月13日の告示から、仮に参院選が7月27日投開票日となりますと、ワイちゃんは45日間ノンストップ選挙マシーンとなるわけであります。まあ仕事だしやるんですけどこれマジ大変なんじゃないでしょうか。

 で、まあ投資家ならご存知の通り4-6ってのはクソ忙しいところでありまして、こっからのトランプさんや中国経済の推移如何では日本経済も大変なことになるわけであります。大丈夫なの。他国に比べれば相対的に物価が落ち着いていて経済的にも決して劣後するわけではない日本ですが、国民からすれば他国のことなど知らず日本のことだけ考えているわけでして、ここで景気低迷しとるやんけとなると与党サイドとしましては大変に面倒なことになります。

 しかも、原理原則の石破茂政権において経済状況を観ながらG7でどうとか骨太の方針で何かとかいう話は特に出てこないと思いますので、これはこれで… というのがあります。やっぱり、いまの与党に国民が投票するストーリーといいますかある種のナラティブというのは大事でありまして、要するに「俺たちいったい何を理由に投票所まで行って『自民党』って書いてるんだっけ」という動機をしっかり構築しないといけないわけです。

 石破茂さんってのは政治家として誠実だし尊敬できる面も多々ある人物であることは間違いないんですが、国民からすると特に都市部勤労層からすると伝わりにくいというか「なんなのあの人」って感じで不人気です。まあ、総裁選でも都市部は見事に高市早苗さんに党員・党友の皆さんが票を入れておられましたからな。とまれ前回の衆院選では謎の踏みとどまりが都市部であったのは僥倖でしたけれども、野党対策がどうとか相対的なことではなく、もはや自由民主党に投票する理由が見当たらない有権者はどうなるのかということは冷静に考えておかなければならないことでしょう。

 翻って、年初から伝家の宝刀であるべき総理の憲法7条解散について、割といい感じで石破茂さんがぶんぶん振ってたのが印象的です。いや、伝家の宝刀ってのはいざってときにそれとなくチラつかせるもんだと思い込んでいた発想の硬い私が馬鹿でした。ただ、報道でもかなり正面から「衆参ダブル」なんて用語が出てしまうぐらいカジュアルに語られていたのはロジやら実務やら担う側からすると正直マジかよって感じでショックでしたし、何より石破茂さんってのは3月末の予算通過とバーターに総辞職に追い込まれることをあんまり考えてなかったんだというあたりはすげーなと思います。普通、そこをまず考えると思いますし、いまの周辺では4月以降の予算が決まらないのも「3月末に石破政権ではなくなるかもしれない」という危機感を勝手に現場が持っているからに他ならないわけです。

 都議会自民党の問題というのもパラメータとして増幅していてややこしいところはありますが、有権者にとっては自由民主党というハコにおいて党本部も都議会自民党も自民党都連もみんな「自民党」なわけですよ。だからこそ、総理が都議会自民党については適切処理を突然厳命してきたというのも、総理のお考えとしてよく分かるところであります。

 他方で、今回は都議会自民党が先行してパー券問題で不記載やらかして会派は残すけど政治団体としては解散、場合によっては杉並のあいつもこいつも自民非公認で新たに公募してどうよという流れになると思うんですが、似たような構造はむしろ東京都以外の自民党各道府県蓮にある可能性も残されております。大変なことだと私なんかは受け止めてますが、なぜか割とのんびり「東京は大変だね」とか「足引っ張んなよ」ぐらいにしか思われていないようであるのは何とも残念です。

 なので、都議会自民党もそうですが、やっぱり反省するべきことはちゃんと反省して、有権者に納得してもらえるような出直しについて考えていくべきというのが私の考えです。それと同時に、やっぱりいまの与党のほうが良い政治をしてくれるんだという感覚を持ってもらえるようなスローガンと足元の政策のセットでご判断をいただくほかない。ある種の「自由民主党と公明党のセットだから上手くいっていると有権者に捉えてもらえるようなナラティブ」は大事だし、逆に前回の衆議院選挙では立憲民主党が自民党の裏金にフォーカスした選挙戦を行った結果、国民民主党にごそっと票が集まっちゃったのでむしろ自民党が少数与党なりに助かったという事実関係もよく承知しておくべきです。

 また、石破茂さんは固有の経済政策というものをまだ持っていないので、どうしても「この国をどういう経済政策で発展に導こうとしているのか」がイマイチよく分かんないという問題もあります。その意味では、何をしたいのかよく分からなかった初期の岸田文雄政権よりも、石破茂政権というのは「特に何もしたいことがないんだろうな」と思われがちなところに弱点があります。ビジョンがないというか、したいことが良く分からないというか、まあそういう感じです。そこを、参院選に向けてどう打ち出していくつもりなんだっけというところはちゃんと把握して管理しておく必要があるんじゃないですかねえ。

 知らんけど。

 1973年、東京都生まれ。96年慶應義塾大学法学部政治学科卒業、新潟大学法学部大学院博士後期課程在籍。社会調査を専門とし、東京大学政策ビジョン研究センター(現・未来ビジョン研究センター)客員研究員を経て、一般財団法人情報法制研究所上席研究員・事務局次長、一般社団法人次世代基盤政策研究所研究主幹。著書に『読書で賢く生きる。』(ベスト新書、共著)、『ニッポンの個人情報』(翔泳社、共著)などがある。ブロガーとしても著名。

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