俺たちの岸田文雄ウクライナ電撃訪問で、ガセネタをFACTAに流した阿呆たちが炙り出されるの巻

2023/03/21 15時00分公開

 昨今、ディスインフォメーションが問題になっておりますけれども、先日会員制月刊誌「FACTA」でこんな記事が出てました。

 本日3月21日午後に総理外遊旅程の中でウクライナ訪問が報道されましたので、バッチリ引っかかったやつがいたことになります。

スクープ! 岸田首相が「ウクライナを電撃訪問」決断へ/今月31日出発、ゼレンスキー大統領と首脳会談/「0泊3日」の強行軍

https://facta.co.jp/article/202304047.html

 派手にガセネタに引っかかって乙という話になるわけですが、単なる誤報で本件が終わらない理由は昨今岸田官邸から立て続けに起きていた官邸からの情報漏洩がかなり深刻だったことが背景にあります。

 それまでは、官邸に出入りしている岸田文雄さんご子息が特定のテレビ局記者と昵懇な関係だったから話が盛れているんじゃないかとか、官邸レクしにくる官僚や、大物政治家を窓口に陳情に来る「来賓」がマスコミへのお土産に情報を出したんだろうかとか、いろんなルートが考えられたんですよね。

 また、同じ官邸に出入りする人たちの中でも、例えば先日問題を起こした藤井敏彦さん絡みではNSSで元安全保障政策課長だった室田幸靖さんの活躍で出るはずのない情報がマスコミで飛び交う事例があり、あれがなんでお咎めなしなんだろうと思う人も多かったんじゃないかと思います。旧安倍晋三政権ではもっと酷くて、今井尚哉さんと愛人関係にあったNHK岩田明子さん経由でアベちゃん関連情報がダダ洩れであったため、総理に話を入れる際も今井さんに耳に入る場合は最終稿だけではなくダミー日程も入れて出すなどの対策をしなければなりませんでした。

 今回騙されたFACTA側も、問題があるとすれば名物編集長だった阿部重夫さんがご健康の問題などもあり編集部を去り、最近のFACTA記事もおそらく複数のネタ元ではなく特定の利害関係者がひとつの立場から記事を書き切っているケースも多いのだろうと推察されるほど、いくつかの記事は芯を喰ってておお凄いという場合もあれば、また別の記事はおまえそれお前のポジショントークをFACTAの匿名記事で流してるだけの場合もあります。つまり、編集部体制が変わったからか、ほとんどワンソースで記事を書き、また今回のスクープも特定の人から情報を取って慌てて記事を書いたので、見事に引っかかってフェイクニュース(本当の意味での)になったと言えます。

 それを、溜池通信のかんべえ師がリークネタに観測を流し、ですよねー感が漂ったのは、この手の会員制月刊誌はFACTAにせよ選択にせよ、ある種の「霞ヶ関町内誌」のような性格を持ち、官僚や政策有識者に読ませたければこの辺に前打ちさせておけばOKという時期が(特に阿部さんが編集長だったころには)長く、品質も保たれていたことで会議中配布資料にpdf回覧までされることもあったのです。

 ところが、今回のように特定の事情・思惑というだけでなく、具体的な意志をもって岸田文雄さんのウクライナ訪問を阻止したいor日程案をぶん投げてエスコートの計画を変更させたい人がいたということであって、単純な漏洩事件じゃないでしょうというのが問題の本質になります。単純にガセネタ流しやがったバーカではないわけですよ。

 言わずもがなですが、岸田文雄さんがウクライナ訪問を敢行する情報というものは、真正であるならば、もちろん日本の当局にとって岸田さんが現地で暗殺されかねない恐怖はまずあります。何といっても紛争当事国ですからな。

 しかし、実際に問題であるのは岸田さんがウクライナ訪問するということは、大統領であるゼレンスキーさんも歓迎のため「そこにいる」ことを意味し、本当のターゲットは岸田さんではなくゼレンスキーさんである場合、特定の立場でその情報を使おうとする人はFACTAに流すのではなく黙って岸田さんのウクライナ訪問日程を使って何らかのアクションを取ろうとするでしょう。今回に関しては「そうではなかった」わけですから、ガセネタと知らずにFACTAに情報を流した人の思惑も推測できようというものです。

 遠因に、国会日程を理由にインドでのG20外相会議への参加を見送った外相・林芳正さんの話の流れもあるのだ、という解説が出ているようですが、事実関係はともかく、懸念されていた幾つかの官邸情報漏洩ルートのうちのひとつは今回はっきり分かったでしょうから、これをレバレッジに除法管理と引き締めを頑張って欲しいというのが正直な気持ちです。

 画像は「日本の官邸にいるスパイがバレて驚いている風景」です。

https://yakan-hiko.com/meeting/yamamoto/




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 1973年、東京都生まれ。96年慶應義塾大学法学部政治学科卒業、新潟大学法学部大学院博士後期課程在籍。社会調査を専門とし、東京大学政策ビジョン研究センター(現・未来ビジョン研究センター)客員研究員を経て、一般財団法人情報法制研究所上席研究員・事務局次長、一般社団法人次世代基盤政策研究所研究主幹。著書に『読書で賢く生きる。』(ベスト新書、共著)、『ニッポンの個人情報』(翔泳社、共著)などがある。ブロガーとしても著名。

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