生成AIで「自動調整返信マシン山本君」を作ったが

2024/12/17 13時27分公開

 最近あまりにも忙しすぎるので、一般向け解説のウェブ記事を書く時間もYoutube撮影もできずにおります。困った。空き時間にまあまあパワーのUbuntuマシン作ってそこにLLM入れて、返信叩き台作る用の人工知能山本君を個人的に作って試験運用しています。

 結論から言いますと、60点ぐらいです。

 よくクソウェブサービスがコールセンター人件費ケチるために窓口にチャットボットを置くのと同じような感じで、先方から問い合わされた内容をそれっぽく項目立てて返答できるのは情報をあらかじめ仕込んだところまでで、教師データが充分あったにもかかわらずゴミのような回答を吐き出してくるのでかなりチューニングしてました。

 ただし、日本共産党とかの地方議員の皆さんとかからたまにやってくる、いちゃもんみたいな言いがかり連絡については「役所の公式サイトをご参照ください」みたいな木で鼻を括る対応をエレガントに返してくるのでそこはとても気に入っています。

 最近では、あいかわらず週10件ぐらい来る「山本太郎への抗議メール」や「反ワクチン陰謀論者からの罵倒メール」はGmailに繋ぎ込んでそれと判断した場合にはボタン一発で馬鹿にする発言を折り返せるようになりました。便利!

 しかし、本当にやりたかったことはそれじゃないんですよね。毎回せっせと作ったペーパー喰わせて関連法規全部一覧に出させて何か打診や連絡事項があったら便覧につけられるよう工夫してますが、地味にハルシネーションというか間違いを発見し、しかもLLMは意図せず嘘を混ぜてくるのでとても自然です。うっかり議員の先生に折り返すときに送る直前で先生の選出選挙区が間違っていたり、参照する条文の中身が架空だったりすることが判明するため、とてもじゃありませんが全自動では無理じゃないかと思います。

 あるいは、自治体とのやり取りの中で特定の法律に基づいた定型業務返答文的なのは劇的に改善するのですが、間違った連絡を自治体職員さんからもらうと山本一郎LLMであるがゆえに「お前なに言ってんだよ」とか「馬鹿じゃねえの」など返信してしまうのでかなり改良が必要です。やはり、コアになる人格や資料が良品質で高潔でも技術が未熟なのでナチュラルに相手を罵倒したり中傷したりしてしまうのは難がありますね。

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 1973年、東京都生まれ。96年慶應義塾大学法学部政治学科卒業、新潟大学法学部大学院博士後期課程在籍。社会調査を専門とし、東京大学政策ビジョン研究センター(現・未来ビジョン研究センター)客員研究員を経て、一般財団法人情報法制研究所上席研究員・事務局次長、一般社団法人次世代基盤政策研究所研究主幹。著書に『読書で賢く生きる。』(ベスト新書、共著)、『ニッポンの個人情報』(翔泳社、共著)などがある。ブロガーとしても著名。

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