最近急に増えた変なロビー活動

　あ、いやロビー活動に限らないのかもしれませんが…。

　ものすごくネアカな感じで楽しそうにやってくるんですよ。もうね、キラキラした感じで公共政策の渉外でーすみたいな感じで。キャバクラか何かですかって勢いで。

　当然、こっちはゲートキーパーなわけです。担当秘書さんと一緒になって、門前払いするために手ぐすね引いて待っている。あるいは、すでに突破されてしまった議員さんからスライドで役付の偉い議員にネタを投げ込んでくるのを、横で見ていて「これは筋が悪いです」とか「他の話と総合して決めないと」などとご注進して蹴飛ばすという大事な作業があります。

　要は、ある種の白血球的役割で、これは良い、これは駄目ってのを判断し、駄目なら貪食する。

　ところが、最近すっげーキラついたのが増えました。コンテンツ系とかシブヤICT系ばっかじゃなくて、生成AI関連とか、社会運動系とか。もちろん中には「お、見た目と違っていろいろ考えて整理してもってきたな」ってのもあれば、割と実績のある所がしおらしく提案してくる物件もある。ちゃんと考え抜いて提案してきた人たちの話を聞くのはこちらも幸せです。

　ただですな、やっぱりそういうのは希少で、大多数は「お前なあ」ってなるじゃないですか。それ、単にお前の会社の利益誘導ですよね。上場会社に再就職した元役人さんとか、まあそれをやるために雇われたんだから頑張って持ってくるのは分かりますよ。逆の立場だったら必死にアポ取って提案したいのも分かります。しかし、担務してない、割揉めも満足に経験してない分野で、込み入った話を政策提案してくるのって大変だぞって思いません？

　その結果として、先生から「おまえ同席しろ」って言われて置物やって、話が終わってから先生に「おまえ、これどうや？」って訊かれて「ゴミです」って言うだけの時間って本当に無駄だなあと思うのです。提案する側も、される側も。いや、仕方ないんだけど。お互い仕事だから、という意味で。

　で、その後フォローアップの連絡とかも特になかったりするんです。あの、名刺渡したよねえ…　常識的には、はじめましてでお目にかかって、当日か翌日か、遅くても週明け月曜には「その節はありがとうございました」の連絡ぐらいはメールでいいからするもんなんじゃないですか。しないもんですか、営業なのに。次アポとか、提案内容に対する意見とか聞きに来ないものなの。

　こちらも何かあると思うから資料は取っておくし、あと私は他の人よりもちょっとだけ記憶力は良いのでこいつなんだっけってのは追っかけたりもするんですが、10日ぐらい何の連絡もないとシュレッダー行きですよね。民間でもそんなもんじゃないですか。

　さらに、ちょっと前まではロビイング会社ってのが頑張って提案してきてくれていました。歩留まりこそ悪いけど、たまにホームランを打つので無視できないぞ的な。謎に食い込んで議連できちゃう風の。政治家と学者と官僚並べて朝飯食う系の勉強会やらされる感の。時間はどんどん取られるけど、いろんな人と会えるからまあいいかって思えるやつですね。

　でも、やっぱり少数与党になって話が通らないのが確定してから、どこも超党派になりました。そうなると、役に立つ先生しか名指しで呼ばれない。当選回数多くても陣笠のまま出世できない大物や、人物的に癖があり過ぎて欲得メインで動いたりする大物や、単純に面倒くさい大物はお声が掛からない。それも、同じところに名前を連ねているのに露骨に無視される先生とかいて、またそうなる理由もうすうす気づいちゃったりするものだから、かといって本人に「先生、もうちょっとどうにかなりませんか」なんて言えないし、まあずっとそうなるんでしょうね。

　結果的に、まともで、仕事のできる先生に仕事が集中し、これよろしくと言われると「あっ、はい」のスペシャリストになるのであります。世の中そんなもんです。こうやって、夜も更けていきます。

　画像はAIが考えた『俺は大物だと思っているけど誰も頼りにしないので調査会でもまともな働きをする人がついておらず、それなりに重要な審議で働かないといけないのにあの人に話をしたくないよなあと関係者が鳩首会談をしている図』です。