山本一郎は、『市況かぶ全力2階建』の運営者ではありません

2025/10/31 11時44分公開

 ほんと「どう伝えたら信じてもらえるのか」というレベルになってきていますが、最近、人気サイト『市況かぶ全力2階建』の運営者と誤認された私のところに、複数の案件で複数の弁護士法人から記事削除の申し立てが送りつけられ、どこで知ったのか私の携帯電話番号に直接苦情や法的措置をほのめかす連絡が来ます。比率で言うと、れいわ新選組山本太郎と間違われて山本太郎が何かやらかすたび苦情が殺到する案件の2割ぐらいの水準にまで増えてきました。非常に困ります。

https://x.com/hinabe_ch/status/1983757860992643357

 twitter(X)にも固定ポストを置いて魔除けにしていますが薬石効なく、今朝も会議中に着電がありました。

 一番困っているのは「複数の案件で」「複数の弁護士事務所から」記事削除要請のご連絡を戴くことです。それも、まあまあ名の知れた大手弁護士事務所にて一線で頑張っておられる先生ご本人や、ICTやSNSに詳しく著書があり経済媒体では「~に詳しい人気弁護士〇〇人」に名を連ねる先生ご本人、さらには某国立大学ロースクールで教鞭を執っておられた先生ご本人から、じきじきに、すぐ消せというご連絡を賜ることです。

 しかも、ご連絡を戴いて「どんな話が気になって消せって言ってるのかな」と思って見物に行くと、当該クライアントと思われる人物がやらかした話や、常識から外れた奇怪な言動が公になって面白がられている話など、無関係ながらクレームを拝領した私本人が「あっ、これは削除せず文化資産としてネットに永く残しておくべきやつや」と思ってしまう記事ばかりなのです。

 中には「クライアントである経営者自身がじきじきに削除について直談判したいと言っているので、明日〇時あたりに来社願えないか」などのこちらの都合を完全に無視した要望迄投げ込まれる始末であり、私が丁寧に「そのサイトは割と読んでいるが、私は運営者ではない」と何度説明しても「嘘をつくな」とか「言い逃れはやめていただきたい」などと急降下爆撃が発生してしまいます。疲れました。

 かといって、弁護士さんを雇ってまでネットに書かれている内容を消したいというクライアントの気持ちも分かります。普段は組織のトップにいて、周囲にはうやうやしくかしづく仕える大量の部下に囲まれ、皆さん機嫌を損ねないように良いことしか報告しない状況に慣れてしまっているので、私らのようなモヒカン然とした蛮族が釘バットや火炎放射器をもってヒャッハーーと跋扈しているこんにちのインターネッツで自ら積み上げてきた業績に基づいた自尊心を大きく損ねる揶揄や中傷、批判、論難を見て血圧MAXになりブチ切れ弁護士をいますぐコール! となるのも世の習いとしては致し方ない面はございます。その点では、クライアントの経営者氏らも、それを支える部下の皆さんも、お前どうにかしろと仕事をぶん投げられる弁護士先生の皆さまも、心より、深い同情を抱かざるを得ません。すべては現世(うつしよ)の世知辛さがいかんのです。

 しかしながら、物事には限度というものがございます。その最たるものは、人違いです。そのサイトの運営者は私ではありません。運営者ではない私に、権力を行使したり、司法の力を借りたり、話せばわかると直接時間を取るからすぐにこいと強い要望をしたり、様々な手段を行使しても問題は解決しないのです。

 また、ネットで酷評され、うっかり目に入って怒り狂ったり、読んだご家族が心を痛めたりと、本当にお気持ちは分かります。そのお立場で、クソのような罵声を浴びせられてクソまみれになって、不快にならないはずはございません。よく理解できます。できるんですが、そういうクソのような批判をSNSにいる底辺の皆さまから叩き込まれ、『市況かぶ全力2階建』ほかで子気味良くまとめられてしまうには、必ずお前の側にも理由がございます。

 本人は上場ゴールのつもりはないかもしれないが、周辺の証券・市場関係者や投資家からすれば100名が100名上場ゴールだと思うような事案は叩かれますし、市場での開示ルールの裏を突いてこっそり株取引をして逃げ切りを図っていたことがバレれば不誠実な創業経営者として批判されます。そこには、クライアントの皆さまの「こう思われたい」という自尊心や自信、自己認識の美しさ・尊さが気高くある一方で、経営や相場でやっていることの悪辣さやパパ活、パワハラなど世間一般から見れば人間のクズに分類される汚汚的な批判されるべき行為が凄まじい落差として本人に突き付けられるのです。

 私だって52年間生きてきて、完璧な人間ではないことは理解していますし、それなりに資産を築き、長く一線でやってきた中で「これは良くなかったな」とか「反省して、これはもうしないようにしよう」などの学びを得て何とか頑張ってきた程度の存在であることはよく承知しています。至らないことはたくさんありますし、ご批判を戴くこともあり、まあいわれてもしょうがないかなというものも、そう文句言われてもちょっと自分の考えや実際の経緯とは違うなと感じることもあります。生きていくというのは、そういうことの連続だと思っています。

 ただ、私は『市況かぶ全力2階建』の運営者ではございません。無関係です。実際の運営者の方とは面識もございません。私がどういう存在かとか以前に、間違っているし、それはお雇いになられた先生方が弁護過誤をしてしまっていることに他ならないのです。人間、誰しも過ちはありますし、それ自体を言い咎められるほど私も常に真実だけを述べて生きて来たかと言われれば恥じることもないでもありませんので、いちいち懲戒請求かけるぞとか喧嘩腰になるつもりもないのですが、ただ私は『市況かぶ全力2階建』の運営者ではない、千の風に乗って、そこに私はいませんと強く申し上げたいのです。

 皆さまにはどうかご理解を戴いたうえで、快適なインターネット生活を引き続き送っていただきたいと願っております。


Powered by Froala Editor

 1973年、東京都生まれ。96年慶應義塾大学法学部政治学科卒業、新潟大学法学部大学院博士後期課程在籍。社会調査を専門とし、東京大学政策ビジョン研究センター(現・未来ビジョン研究センター)客員研究員を経て、一般財団法人情報法制研究所上席研究員・事務局次長、一般社団法人次世代基盤政策研究所研究主幹。著書に『読書で賢く生きる。』(ベスト新書、共著)、『ニッポンの個人情報』(翔泳社、共著)などがある。ブロガーとしても著名。

コメント